テックワン開発ストーリー

2020/03 特集

震度7にも耐える、テックワン

テックワンは、木造建築金物工法の先駆けでもある「クレテック」を更に進化させた接合金物です。
クレテックの強度を保ったまま、可能な限り軽量化を目指した製品で、金具の幅を約30mm狭め、手で持ちやすいよう改良を重ねました。

阪神・淡路大震災では多くの建物が崩壊し、甚大な被害を被りました。その教訓から「震度7にも耐えられる接合金具を」と何度も研究し、ようやく完成。2004年から市場に投入できるようになりました。名前の由来はファスナーの通称がテックというところから。「ファスナーでは一番」という願いを込めて「テックワン」と名付けることになりました。

現場目線での開発を

クレテックとテックワンの一番の違いは、扱いやすさ。現場から「もう少し軽くてコンパクトな金具はないか」と話しを受け、研究を開始。出来上がったのが、テックワンなのです。もともとクレテックは順当にブランド商品となっていました。しかし、特許期限が切れる2〜3年前から次世代の金具の構想は着々と組上がっていたのです。

そんなときに「直角曲げではなく、R加工にしましょう」と助言を受け、研究を開始。木造住宅の構造がより強度と高い精度を求められるようになっていたことから、横引きにも強い金具をつくる必要性がありました。そこに現場からの意見も重なり、R加工を施し、かつ軽量化した製品「テックワン」が完成したのです。

テックワンから連なる多様な金物を製造

テックワンがブランド商品となりつつあった1987年、金具の一貫生産工場整備を目的に見附工業団地進出第一号工場として溶接専用工場を建設。1992年にはプレス部門などすべての金属加工部門を同工場に集約することとしました。時代の先取りをして機械に投資するのはメーカーの絶対条件。溶接工場の新設によって、金具によって適切な溶接を選択できるようになりました。さらにプレスも同様に切断や穴あけ、折り曲げなどを自動で行えるNC機を導入。こうして設備を整えたことで、一気通貫で住宅資材を送り出すことができるようになりました。切って張って、溶接して、さらにプレカットまでできる会社は東日本ではまだ少ない時代。金具を取り付けたプレカット材が送り出されることで、輸送コストの軽減化にもつながりました。こうしてどんどんタツミの事業が拡大してきたのです。